#

この国で「どう自分らしく生きるか」ということを考えたときに、切っても切り離せないのは「ジェンダー」※1の問題です。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「世界ジェンダー・ギャップ報告書」によると、2018年の日本の「ジェンダー・ギャップ指数」※2は、世界対象国149カ国のうち、110位だそうです。まだまだ日本は、女性が「誰かのために我慢する」ことを強いられている…というよりは、知らず知らずのうちに「自ら選ばされている」社会だと思います。

私自身、就職・結婚といった人生の大事な局面で、「バリバリのジェンダー思想」に囚われていたことに数年前やっと気付きましたし、カウンセラーとして女性の悩みをお聴きしていると、知らず知らずのうちにジェンダー思想に囚われて、自ら生きづらくしてしまっている方が大変多いのを感じます。それは男性にも言えることで、セクハラ・DVなどのハラスメントの根源には、このジェンダー思想が色濃く影響しており、職場や家庭でうまくいかずに周りも自分も苦しめる大きな要因になっています。「男性は仕事」、「女性は家庭」、「男性が女性を養うもの」というジェンダー思想が強く残っているこの国で、少子高齢化だからといって急に「活躍してください」と言われても、「養ってもらう存在=力のない存在」だと思い込まされている女性にとっては、無理な話です。同一労働同一賃金もいいですが、まず社会全体の意識改革が必要なのではないかと思います。

株式会社働く歓びは、これまで、「普通」を良しとする社会で生きるために、自認する性別とは違う性別を偽らざるを得なかったトランスジェンダーの方を含めて、お一人おひとりに、「自分の力に気付いてもらう」というおせっかいをしていきます。

※1「ジェンダー」…生物学的な性別とは別に、社会的・文化的に作られた性別のこと。
※2「ジェンダー指数」…ジェンダー間の経済的参加度および機会、教育達成度、健康と生存、政治的エンパワーメントという4種類の指標を基に格差を算定し、ランキング付けされている。

代表 小口